株は、というより、企業には寿命がある。
AGCとかみたいに事業PF変換に成功して長続きする企業も日本だと沢山あるが、基本的には寿命があると思っておいた方がいい。
任天堂みたいに花札からゲーム開発へ。
ヤマハみたいに楽器やプロペラ作成からマリン事業へ。
みたいな感じで倒産を回避しても、ガチホし始めた理由にもよりますが
「〇〇のシェアが世界一位であり、今後も需要があるためガチホ!」みたいな感じで買っているとしたら、当時の想定から外れているので、戦略の見直しと継続保有の判断が確実に迫らる。
創業一家を信じて買うみたいな珍しい理由で買っているなら話は変わりますが、基本的には会社の事業を見て株を買っているはず。
つまり、その事業や関連する市場に変化があれば、必ず自分のPFの見直しを行わなければならない。
それをサボるのであれば個別株を買うのはやめた方がいい。
握力信仰
Twitterには下記のような握力信仰がそこそこ強い存在感を発揮していますが、配当を源泉たる事業内容を踏まえた判断を行わないのであれば、やってることは競馬やパチンコとぶっちゃけ大差がない。
配当株投資で大事なのはゴリラ握力による取得利回りの上昇!!三菱商事2000円で買った株なら取得利回り10%、三菱UFJ500円なら8.2%、オリックス1500円なら6.2%、KDDI2500円なら5.6%。企業が業績堅調なら増配で一株配はどんどん増えて、年間配当金は自動で増える!樹木から果実がどんどん実って行く!!
— 配当太郎 (@financial1111) October 22, 2023
例えばの話をすると $TSLA が上場したのが2010年とピーク時の2021年末と比較すると株価は脅威の300倍超。
一方、現在2023年11月ではピーク時からマイナス45%程で、上場比174倍ぐらい。
切り取る時間軸によっては長期投資なんてものは何の意味もなさないという点は常に留意しておく必要がある。
オルカン+α論についての雑談の記事で下記のように記述したが、
「教科書通りの平均点投資をしたいならオルカンだけを買っておけ」
これも結局は偏りを生むことはリスクの拡大であるという思想に基づいているため。
文字通り世界中に分散投資をするオルカンのバランスをメタバースやらバイオやらで歪める場合、その歪んだ分だけパフォーマンスに影響を及ぼす。
上振れれば全て結果ヨシ、として笑い話にできるが、衰退サイクルにハマったりしたら泣き話になってしまう。
投資をするなら常に「時間軸」と「リスク許容度」について留意したい。
また、独自性を求めるのであれば、それに伴うリスクをしっかりと把握したい。
日本の配当貴族銘柄として花王を万歳で高値キャッチをしているとしたら、投資判断基準を改めて考え直すといいのかもしれない。
まぁ、花王も10年ホールドなら含み益がまだそれなりにあって、配当分の益があるので、まだまだ余裕なはずですが。
私は私自身を結構な配当信仰者だと思っているのですが、EPSの成長が無い銘柄の配当銘柄は好みじゃないです。
具体的にどういう銘柄が好みじゃないかと言うとENEOS(5020)
ENEOSは単元価格が安いのもあって配当銘柄として謎の人気を誇っていますが、私は正直魅力を全く感じない。
加えて下記の買収があまりにも下手くそ感あって、それ以降ENEOSに対して余計に心象が悪かったりする。
ENEOSが再生エネ新興買収 2000億円、石油依存転換 - 日本経済新聞
あとは個人投資家に人気なJT(2914)はたばこ産業自体への信頼感が無いため好みではないが、ENEOS程ダメと言うわけでもない。
業績自体も別にクソ株というわけではない。
好みじゃないポイントとしては配当性向が既に75%で、ここからの大幅増配があまり望めない点。
現利回り納得して買うのであればいいですが、長期視点だと旨味があまりなくて微妙。
何はともあれ、個別株投資は難しい。